自宅警備員にとって、スカイマークは学生時代に就活や帰省で利用した思い出があります。
当時はターミナルの端のカウンターが遠くて機内が狭いイメージが強かったのですが、エアバスA330に導入されたグリーンシートは、全席JALのクラスJと同等のゆったりしたシートで、機内の快適性は間違いなく向上されました。
国際線に進出するということで、総2階建のA380をの購入が発表された時には、国際線の狭いエコノミークラスが大幅に改善されると期待しました。
ビジネス利用の多いニューヨーク、ロンドン、フランクフルトへの就航を計画していましたが、成功していればJALやANAも追従してシートの改善に走ったかもしれません。
国内線では、スカイマークが格安運賃で参入した路線を、大手2社がその少し上の金額で割引運賃を設定するという流れでした。
ただ、ビジネス客がどれくらいの割合で利用されていたのかは疑問が残ります。
大手企業の社員が出張する際は、大手2社や旅行代理店と大口契約を結んで、経費処理を軽減する体制があるようです。
一昔前は出張旅費を規定額を一律支給する会社が多かったようで、出張者が安いチケットを使えば差額が懐に入るのでスカイマークを使う動機付けが一定数あったようですが、今は実費精算が主流ですので、わざわざカウンターが遠くてマイルの貯まらないスカイマークを使うメリットがなかなか見い出せなくなっていたように思います。
個人客はLCCがさらに安価で飛ばすようになったので、中途半端な立ち位置になってしまいました。
ただ、サービスはLCCよりも格段に良く、大手2社に準じた内容なので、少しの価格差ならLCCよりもスカイマークを選ぶというユーザーはいたと思います。
経営破綻により、A380はスカイマークの財務では手を出してはいけない機種だったと言えますが、上手く資金調達できていればグリーンシートでの国際線進出で、また違った未来があったのかもしれません。
直接スカイマークを利用することはなくなりましたが、参入された路線を安く利用することはありますので、間接的にメリットを享受しています。
国際線も、ヨーロッパへ行く際の乗り継ぎで利用したり、競合して値下げした他社便を利用するかもしれません。
直接・間接ともに他社へ影響を与えるということで、スカイマークは存在感があったと思います。
経営再建の中で大手2社の資本が入るのか、独立系を貫くのか、海外資本が入るのか、動向が気になります。